カンタンに出来ない原因は?
構造計算の学習でやりがちなこと
構造計算を身につけるのをカンタンにできてしまう人となかなか出来ない人がいます。その原因がどこにあるのかはケース・バイ・ケースです。
私が見てきた中で構造計算を身につけることを諦めてしまった人の多くは
- 構造力学ばかり解こうとする
- 我流でやり通そうとする
でした。
一つ一つ見ていきましょう。
構造力学ばかり解こうとする
例えるならば、山登り(登山)をするのに筋トレばかり行うようなものです。筋トレをするだけで山登りができるでしょうか?
もっと他の山に対する知識とか登山技術を磨くなども必要なはずです。
我流でやり通そうとする
例えると自転車を自分ひとりで乗りこなそうとするに近いです。
自転車を一人で乗りこなせたと言う人が、世の中にどのくらい居るのか想像してみて下さい。
行ってる行為にドップリ浸かってると自分のことは見えていません。
でも、それを傍目から見ているベテラン構造技術者には「それ、上手くいかないのでは?」と思っている人もいます。
ならば、上手くいかない方法の反対のことを行えばそれは、カンタンにできてしまうことになりませんか?すなわち、
- 構造力学ばかり解かない
- 我流でやらない
です。
構造力学は要らない?
以前に構造計算を教えてた時に上の2つを話したところ
「じゃぁ、構造力学は要らないのか?」
と言葉にされた方がいました。
これは、考え方が飛躍しすぎです。私は「構造力学が不要」とは1回も言ってません。
実務での構造計算を習い始めるのに、いきなり構造力学から始めるのが上手くいかないと言ってるのです。学校の講義を見てても思うのですが、授業の初めで構造力学から始めることが多いようです。計算式に慣れていないのに、突然に公式を突きつけられても戸惑うばかりですよね。
例えば、スパン長さ\(3m\)の片持ち梁の先端に集中荷重\(10kN\)が生じた時に支持端に生じる曲げモーメント\(M\)は
\(M=10kN\times3m=30kN・m\)
とカンタンに書けてしまいますけど・・
片持ち梁でモデル化した構造物が実際にどういうものか、を知らないで計算だけ行っても実務には活かせません。
学校の授業や資格試験・・特に資格試験での力学は実務で扱う出来事と離れすぎてます。
それよりも、構造についての知識をインストールし、構造計算という作業の全体像をつかみ
- 準備には何をそろえるか
- どういう手順で進めるのか
- 実物をどうモデル化するのか
を知った上で計算を行っていくほうが上達が早いと思うのです。
そして、私たちが行うのは現実に存在する/これから建てる建築物や構造物について構造計算で安全を確認することです。
構造力学だけ解けても安全を確認したことにはなりません。構造力学は大切ですけど、それに拘りすぎないようにしましょう。
「我流でやらない」とは?
構造計算をマスターするのに遠回りしてしまう理由の二つ目として、「我流でやり通そうとする」というのを冒頭でご紹介しました。
では、なぜ我流でやるのが遠回りすることになるのか?
それは、上段に書いた
- 知識をインストールする
- 構造計算の全体像をつかむ
というのが、構造のことを何も知らない人にとって、一人の力で超えていくにはハードルが高すぎるからです。
あなたが今、自分の必要とする構造計算スキルを優先的に身につけたいとします。
それで、必要な知識をインストールするのと必要な構造計算の全体像をつかむのを自分一人の力で達成しようとすることは登山に例えれば、
「自分にフィットしそうな山を選んで手当たり次第登っては降りる。」
ということを行うようなものです。これは、時にリスクが伴いますね。
やはり、1人で行うことは避けたいものです。
なぜなら、自分にとって必要/不必要の見分け方を自分自身で判断しづらいからです。
構造計算はカンタン(シンプル)です。
定められたルール/手順に従って進めればどなたでも出来てしまいます。
そのルール/手順については、独学よりも習うことが早道です。
『30代からは構造計算で年収UP』をキーワードに構造計算が『できない』を『できる!』へ、そして年収アップへと導く一級建築士・構造設計一級建築士です。こちらでもブログを書いています→ https://ameblo.jp/ryo3whisky