構造計算とAI(人工知能)
AIに取って代わられる職業?
以前ににプロ棋士(将棋)の方が
「実は将棋ソフトから指し手を選んでさしているのでは・・?」
という疑いがかけられてるニュースを目にしました。
将棋ソフトも囲碁ソフトもAI=人工知能が操作しているようで・・
今まではプロ棋士が勝っていたのに、最近では負けることが多くなってきたとか。
将棋とか囲碁を指している人工知能は「特化型人工知能」というそうです。
また、多くの方が使っておられるiPhoneには、Siriというのが搭載されてますね。Siriも特化型人工知能のようです。何か一つの役割に特化した人工知能を指してます。
そして、2030年くらいには汎用型人工知能というのが出てくるようです。
汎用型人工知能というのは人間らしい振る舞いができてしまうものらしいです。
そうなりますと・・構造計算も人工知能が行ってくれる時代が来てしまうのでしょうか?
もし、そうなったとしても、私は構造計算が出来る人が人工知能に取って代わられないと思っています。
何故だと思われますか?
感覚を共有していく
人間が出来て、人工知能ができないもの。
それは、「感覚を共有していく」という行為です。
たとえば、私ならば
- そよ風が気持ちいいね!
- 今日はムシムシするからビールをグイッてやりたいね
という言葉を自分以外の人から話しかけられたら、実際にそよ風が気持ちいいと自分も感じたり、蒸し暑い今を感じてキンキンに冷えたビールを飲むシーンを思い浮かべてみたりします。
でも、人工知能同士ではこのようなやり取りは行われないのではと思います。
人工知能は、最初に人間が何か情報を与えないと学習を始めないでしょう。
人間よりも少しだけ歩幅を小さく一歩引いた感じの位置で居るような感じですね。
この、「感覚を共有していくことは人間固有のもの」ということを教えて下さったのが井上智洋さんという方です。
「人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊」という本を出版されてます。
井上さんは人間が人工知能に取って代わられない仕事のスキルは3つあると仰っています。
それはC・M・Hという3文字に表されるそうです。CMH??何の略語・・・?と思ってしまいますよね。以下の3つだそうです。
- Creativity(クリエイティビティ; 創造性)
- Management(マネージメント; 経営・管理)
- Hospitality(ホスピタリティ; もてなし)
このCMHと構造計算をつなぎ合わせて行くことで、AI(人工知能)に取って代わられない存在でいられると、私は思っています。
構造計算という「作業」だけを職業として捉えてしいますと、AIには敵わないでしょう。だって、相手は計算処理速度のみでは人間の数百倍以上の能力を持ってますので。
しかしながら、計算=職業と捉えるのが本当に適切なのでしょうか?
そして、構造計算が出来る人というのはどういう仕事をしてる人なのでしょうか?
構造計算という職業
私も構造計算は業務で20年余り行ってます。業務についての説明を人から尋ねられると「建物の構造計算をしています」と返すこともあります。
でも、本当は
「構造計算というツール(道具)を使って建物の安全を確保する役割です。」
ということが仕事と捉えてます。
また、構造計算シェルパの立場では
「構造計算というツール(道具)を使いこなせるように導く案内役」
とか、
設計事務所や建設会社で、構造計算が出来る人を育てたいけれどどうしていいか判らない企業には
「構造計算というツール(道具)を企業の社員へ手渡す先導役」
という立ち位置と私自身は思っています。
あなたも構造計算が出来るようになりたいと思っているからには、出来るようになったその先の目標があるからではないですか?
前述CMHを思い出してみましょう。
- Creativity(クリエイティビティ; 創造性)
- Management(マネージメント; 経営・管理)
- Hospitality(ホスピタリティ; もてなし)
でしたね。
繰り返しになりますが、あなたが 構造計算というツールとこの3つのどれかを掛合わせることで、AI(人工知能)に取って代わられない存在でいられると私は信じてます。
AI(人工知能)同士は感覚を共有出来てない。でも、人間同士は感覚を共有出来ます。
あなたならば何を相手と感覚で共有できそうでしょうか?
- 地震のときの揺れが不安
- トラックが通ると床がフワフワと縦に揺れる
- この部屋にどれだけのモノを乗せていいの?
上に挙げた例は全て「構造計算で説明がつきます。」
もし、あなたへ相談に来た方に感覚を共有して上3つのような問題の解決を図ってあげたならば、相手は次からもAI(人工知能)に頼まずにあなたへ相談を持ちかけるでしょう。
なぜなら、気持ちでつながっているからです。
『30代からは構造計算で年収UP』をキーワードに構造計算が『できない』を『できる!』へ、そして年収アップへと導く一級建築士・構造設計一級建築士です。こちらでもブログを書いています→ https://ameblo.jp/ryo3whisky