応力を体感で理解しましょう。
◆応力(ストレス)は体感できる。
前回で、プレッシャーという単語とストレスという単語については
構造計算の世界でも使われるということをお伝えしました。
そこで、今回は構造計算でいうところの
ストレス(応力)を日常で体感できることをお伝えしましょう。
まずは、構造計算上でのモデルをイメージしてみましょう。
一本の丸い棒が有ります。
この丸い棒を両端からちぎれない程に引っ張ってみました。
引っ張られた状態のままで丸い棒を切断した状態でイメージします。
すると、棒の断面には外からの引っ張られる力(外力:黄色い矢印)に対応して
棒の内部で引っ張られないようにする力(内力:赤い矢印)が発生しています。
この内力(赤い矢印)が応力(=ストレス)です。
では、あなたの日常生活に目を向けて、
同じような現象を探してみましょう。
あなたがコンビニへ買い物へ出かけたとしますね。
アイスクリームとかお菓子、それに夜のお供としてアルコールも買ったとします。
コンビニの店員さんがビニール袋に買った品物を入れてくれて
レジを済ませ帰路につきます。
買った品物を持つ腕には品物に引っ張られるように
腕の筋肉が伸びていることが体感できるでしょう?。
これが、腕に引張力という応力が発生している状態を示しています。
また、通勤電車で吊り革に掴まって電車の動きに引きずられまいとして
腕に力が入っている状態も同じように引張力が腕の筋肉に
作用していますね。
このように構造計算でおこる現象を自分の体で感じることが
日常の生活にはたくさんあります。
そこに気づくようになりますと構造計算がグッと身近なものに感じて
マスターしやすくなっていきますよ。
◆外力と応力と変形は1セットで。
前段では応力(=英語ではストレス)を身近なものに例えてお伝えしました。
重たいものを手に持った時には腕の筋肉が引っ張られて緊張する。
→「引張力が内部で作用している。」 でしたね。
そこで次に目を向けるのは持っている手(指)にフォーカスです。
コンビニでの買い物の話を思い出してください。
ビニール袋を持った指は買い物した品物の重さで
ビニール袋が指に食い込んでます。
食い込んでいるということは指は変形しているわけですね。
同じように電車の吊り革に掴まっている手も指が変形してます。
このように物体に応力(=ストレス)が発生しているならば、
外からの力:外力(=プレッシャー)が加わっていて、
そこには〈物体が変形している。〉 という現象が見られます。
この変形は、目で見てわかる物体もあれば
目で見ることが簡単でないくらいに
わずかに変形している物体もあります。
また、変形は物体の性質にもよります。
言い換えれば、
外力(=プレッシャー)がゼロなら
応力(=ストレス)もゼロなので
変形もゼロということになります。
構造計算のルールはシンプルにできています。
計算対象の物体に変化が起きない限りは
構造計算を行っても結果に出てくる
数値は〈ゼロ〉となります。
外力が作用して物体が変形する、
そして物体の内部には応力が生じている。
このシンプルなルールを常に守っていれば
計算することは決してこわくはありません。
安心してください。
『30代からは構造計算で年収UP』をキーワードに構造計算が『できない』を『できる!』へ、そして年収アップへと導く一級建築士・構造設計一級建築士です。こちらでもブログを書いています→ https://ameblo.jp/ryo3whisky