鉄骨造の規準書(4):鋼構造接合部設計指針
継手と仕口の計算
「鉄骨造は部材の継手と仕口の設計で安全性が決まる。」と言われてます。
その継手と仕口の構造計算を行う時の拠り所となる本が『鋼構造接合部設計指針』になります。
継手の中には、大梁/柱/ブレースにつき書かれています。
少し変わった継手工法の計算についても書かれています。
仕口では梁段差や柱段差のある場合の計算まで書かれています。
最近の確認申請/適合性判定では、仕口の計算に質疑が集中する傾向を見受けます。
柱脚の計算
1997年に中小規模の建築物で柱脚にも適切に回転剛性を与えて応力計算を行うよう計算指針に記述が載りました。
法的な拘束力は持ちませんでしたが、当時の行政庁での確認申請は、
ほぼ指導(行えの意)だったと記憶してます。
この回転剛性の算出式は、今では法的な拘束力を持ち合せてます。
技術基準解説書にも記載があります。
鋼構造接合部設計指針では、架構のモデル化で1階階高の設定でベースプレート下端位置で取ることが明確に記載してます。
時折、審査側担当者で「礎柱天端」を主張される方がおられます。
その際には接合部設計指針の当該ページを示しましょう(事実と解釈の違いです)。
鋼構造接合部設計指針は、鉄骨造の接合部での構造計算の拠り所となります。
私見としては、出来れば自費にてあつらえることをすすめます。
今後、構造計算を自家薬籠中の物としたいならば借り物ばかりではなく、
自前で道具を揃えるようにしましょう。