部材断面の違いに着目(偏心率)
柱断面積の大小
剛性率では大梁の剛性による影響がありましたが、偏心率では柱に焦点を当てます。
柱断面の大きい/小さいで偏心率の影響を予測可能になります。
一般的には断面の大きい部材が水平力の負担を受けやすいです。
鉄筋コンクリート造ならば顕著に現れます。
断面が大きいほど断面二次モーメントも増大することが明らかだからです。
また、袖壁等が取り付くのも断面二次モーメントを増やす要素になります。
さらに部材の長短を掛け合せる
柱断面の大小に着目してから、柱の長さを掛け合せてチェックします。
すると違いが更に浮き彫りになります。
断面の大きい柱×部材が短い=水平力分担が大きくなります。
一方で、断面の小さい柱×部材が長いは水平力分担が小さくなります。
最上階での傾斜梁を支える柱などでは、
上記のチェック法で偏心率超過の予測を立てられます。
最初は直観で
打合せ時に初めて見る図面や柱梁の配置が記された略伏図などから
最初に見たときに「水平力を受けると、ねじれる/ねじられない」のイメージが上記2つの切り口で浮び上がります。
「パッと見」というのは、構造計算を行う上で意外と役に立ったりします。
ただし、先入観での「パッと見」にはご用心下さい。判断を曇らせます。
剛性率にも共通しますが、建物の揺れる性状をイメージするには変形しやすい部材の特徴を押えておくと良いですね。
「どういうものが変形しやすいか?」と
常に探すよう心がけるだけで予測する力が養われていきます。
構造計算する以前に感じ取れると後々の対応がスムーズに運びやすいですよ。