構造計算の学習法(1):学校とは異なるやり方
1)正解はない
学校の勉強には試験/テストという1つのハードルがありますね。
このハードルをクリアするのには出題の問題に回答して正解を重ねます。
よって、正解/不正解という2択になり部分的正解というのは存在しづらいです。
一方、構造計算で算出された断面サイズ。
鉄骨柱が250[mm]角でも300[mm]角でも不正解ではありません。
ですから、構造計算には「たった1つの正解が有る」と思い込んでる方には、
実務での構造計算が理解し難いでしょう。
構造計算未経験の方で、この「たった1つの正解」にこだわってしまう人が意外と多いのです。
2)例題から演習ではない
構造力学の本を購入して読みでみますと例題が載っていて解法が書かれてます。
そして似たような問題を演習として解く。学校で数学の教科書を使って学んでいたやり方に似ています。
しかし、実務で必要なのは応力を解く事以外に断面算定も必要です。
力学を駆使して解いた架構の応力を使うことが求められます。
構造力学の演習問題だけを終えても構造計算を実践できない一因がこれです。
構造力学は構造計算の中の1つのパーツに過ぎません。
3)実務で学ぶ
実務で学ぶというのは、スポーツに例えるならば「試合しながら強くなる。」という感覚でしょう。
高校野球などを見ても試合ごとに強く仕上がるチームが有ったりします。
しかし、試合する前に練習があることはアタリマエのことです。
何の基本もないのに突然に実践という事ではありません。
基礎知識というのは、どの分野でも必要不可欠です。
ですが、実務で学ぶことはとても内容が濃いものです。
「学校の何年分が実務での1年だった。」と話す方がいらっしゃいます。
その言葉は、真実の1つを捉えた内容と感じてます。
学校を卒業してから、社会に出て学んで行くのは今までのやり方から変える必要に迫られることがあります。
なのに、やり方を固定したり/こだわり過ぎたりすると得たい成果を得られずにストレスが掛かります。
とくに構造計算は建築系の学校で実務に対応した内容を教えるのは極めて少ない。
なので業務を実践しながら学ぶことが要求されます。
実践の中で学ぶという方法では、やり方を固定しないように注意しましょう。
やり方は無数にあります。
しかし、「構造計算が出来るようになっている。」という〈あり方〉はブレずに行きましょう。