構造計算への思い込み(5):性別について

働く男女のイメージ

1)男性が有利か?

構造計算の実務者に男性が多い。これは事実ですね。
このことは、次のような要因から出来上がったと推察します。

建築で花形は「意匠(デザイン)」で、構造は憧れをもって見られる機会がまずないでしょう。

構造=数式/計算 → 見たくない。

という思考停止状態もあるでしょう。

デザインは華があるイメージで女性も憧れをもって見るでしょう。

これらのことが重なると
必然的に構造には男性が多くなってしまっただけと思うのです。

2)女性には向かない?

今までは男性が多かった構造の実務でそろそろ逆転現象が出てると感じます。

ある構造専業の設計事務所は全社員の過半数が女性です。
女性だけで構成される構造専業の設計事務所も全国に数社存在します。

これらのことから構造計算が女性には向かないと説明はつきません。
却って女性の方が構造計算に向いているのではないでしょうか。

3)性別は関係ない

男性だから構造に有利、女性だから構造に向かない。

性別による違いが構造計算の出来/不出来に因果関係がないことがわかりきってます。

すべては人が勝手に作り出した、誤った先入観ではないでしょうか。

構造計算が力仕事であれば男女の差は筋肉量の違いに結果が現れるのでしょう。
けれど、構造計算は力仕事ではないです。

2019年にメルマガ読者の女性の集まりで
「構造小町座談会」というのを開催しました。

参加人数は10人も満たない規模でしたけど、
私としては貴重な女性の意見を聞ける機会でした。

そこには構造専業設計事務所を開業されている女性が参加されてました。
開業して数年経ち経営も安定されてるのを聞きまして感心致しました。

ですから、〈構造計算に男女の差は無関係〉
ということは社会的に立証されてると私は確信致しています。