構造計算の学習法(4):1枚の計算書を作る
1)「型」を作る/持つ
構造計算が実務で通用するための学習法は「実際の実務で扱う構造計算書」を作るのが一番の勉強になります。
その計算書は、勤めている会社の先輩や上司が作成したものかもしれません。
あるいは、協力会社(外注先)の構造設計事務所が作成したものかもしれません。
出来れば2次部材(床/小梁など)の計算のページ1枚をコピー機で複写して下さい。
その計算書をもとにして「計算書の〈型〉」を作るのです。
型(かた)があれば、何度でも作れるようになります。
2)4つのパーツで出来ている
例えば2次部材の構造計算書は、4つのパーツで構成されています。
これは、計算プログラムのアウトプットでも同じです。
手計算(エクセル)で作成されたものならば
次のように並んでいるでしょう。
荷重設定→応力計算→断面算定→たわみ計算
RCスラブでもデッキプレートでも同じです。
この順番で並ばないと計算書自体は1つのストーリーとなっていません。
3)1枚作れば自信がつく
手に入れた計算書から2)でお伝えした4つのパーツをマーカーで囲ってみましょう。
それで、同じものをトレースしても良いです。
自分が担当することになった計算対象部材とどこの値が異なるかをチェックするも良いでしょう。
とにかく1枚の計算書を書き上げることに力を注いで下さい。
初心者の方に伝えてるのは「誰でも最初の1枚がある。」ということです。
1枚作れば自信がつきます。立派な実績です。
やはり、実務で通用する計算書を作ってみることが大きな学びになります。
そこから氣付くこともたくさんあるでしょう。
「思った以上にカンタンだ。」
「単位がズレてると間違えやすい。」
こういうのは行ってみて感じることですね。
構造計算には作業の手順があり、それが流れるように行われています。
そして、作られる計算書にストーリーが有ると読み手も安心して目を通せます。
まずは1枚の計算書を書き上げてみませんか。