「プレッシャー」と「ストレス」という構造計算用語
部材を自分に例えてイメージをつかむ
私たちが日常的に使っている「プレッシャー」「ストレス」という二つの英単語、構造計算と深いつながりがあるのです。
あなたは普段の生活で「プレッシャー」がかかったこと、ありますよね?それは、どのような状況でご自分へかかったのかを説明できますか?
あるいは、ご自分の体が「ストレス」を感じているなと自覚したことはあるでしょうか。そのとき、ストレスを感じる原因が何かを捉えられたでしょうか?
もちろん私も「プレッシャー」とか「ストレス」を体感しているのは幾度もあり、原因が何かを考えてたりします。
・・このように、「プレッシャー」や「ストレス」はという言葉を、私たちは普段「人(自分)に対して」使います。英単語ではありますが、意味を理解して使っていますね。
では構造計算における「プレッシャー」「ストレス」とは、何を意味するでしょうか?
まずは、「プレッシャー」。プレッシャーという言葉から、あなたは何をイメージされますか?のしかかる/上からくる/「ズ~ン」って感じ・・などなど、でしょうか。
ひとくくりにしますと何かの〈圧〉ですよね。
圧。すなわち、外からの力による圧。構造計算ならば〈外力〉という言葉で表しているものです。
こんどは、「ストレス」です。ストレスは明るい感じを受けない単語ですよね。なんか、こう「キュ~!」というようなイメージが浮かびます。
ストレスという英単語を構造計算の世界では〈応力〉と訳して使用しています。応力は、部材の内部に生じる力です。
構造計算を行う部材も人に例えてみますと
外からのプレッシャー = 外力が与えられて、自分の中でストレス = 応力を感じている
という状況になっているわけです。
構造計算を行う時に、対象の部材について
「プレッシャー(掛かっている外力)は、なんだろう?」とか
「この部材は、どれ位のストレス(応力)に耐えられるのだろうか?」など
自分と部材を同化してみる目線を持つとイメージしやすくなるでしょう。
日常で体感できるストレス(応力)
人が心理的に感じる「ストレス」ではなく、構造計算でいうところのストレス(応力)も、日常で体感できます。
まずは、構造計算上でのモデルをイメージしてみましょう。
一本の丸い棒が有ります。この丸い棒を両端からちぎれない程に引っ張ってみました。引っ張られた状態のままで丸い棒を切断した状態でイメージします。
すると、棒の断面には外からの引っ張られる力(外力:黄色い矢印)に対応して
棒の内部で引っ張られないようにする力(内力:赤い矢印)が発生しています。
この内力(赤い矢印)が応力(=ストレス)です。
では、あなたの日常生活に目を向けて、同じような現象を探してみましょう。
あなたがコンビニへ買い物へ出かけたとしますね。アイスクリームとかお菓子、それに夜のお供としてアルコールも買ったとします。コンビニの店員さんがビニール袋に買った品物を入れてくれて、レジを済ませ帰路につきます。
買った品物の袋を持つ腕には品物に引っ張られるように腕の筋肉が伸びていることが体感できるでしょう?
これが、腕に引張力という応力が発生している状態を示しています。
また、通勤電車で吊り革に掴まって電車の動きに引きずられまいとして腕に力が入っている状態も、同じように引張力が腕の筋肉に作用していますね。
このように構造計算でおこる現象を自分の体で感じることが日常の生活にはたくさんあります。そこに気づくようになりますと構造計算がグッと身近なものに感じてマスターしやすくなっていきますよ。
外力と応力と変形は1セットで
さて今度は、先ほどの「コンビニの袋」や「電車の吊り革」を持っている手(指)にフォーカスします。
ビニール袋を持った指は買い物した品物の重さでビニール袋が指に食い込んでます。同じように電車の吊り革に掴まっている手の指にも、吊り革が食い込んでいる状態になっています。食い込んでいるということは指は変形しているわけですね。
このように物体に応力(=ストレス)が発生しているならば、
外からの力:外力(=プレッシャー)が加わっていて、
そこには〈物体が変形している〉 という現象が見られます。
この変形は、目で見てわかる物体もあれば目で見ることが簡単でないくらいにわずかに変形している物体もあります。また、変形は物体の性質にもよります。
言い換えれば、
外力(=プレッシャー)がゼロなら
応力(=ストレス)もゼロなので
変形もゼロ
ということになります。
計算対象の物体に変化が起きていなければ、構造計算を行っても結果に出てくる数値は〈ゼロ〉となります。
外力が作用して物体が変形する、その物体の内部には必ず応力が生じている。
ということです。構造計算のルールはシンプルにできていますね。このシンプルなルールを常に守っていれば、計算することは決してこわくはありません。安心してください。
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『30代からは構造計算で年収UP』をキーワードに構造計算が『できない』を『できる!』へ、そして年収アップへと導く一級建築士・構造設計一級建築士です。こちらでもブログを書いています→ https://ameblo.jp/ryo3whisky