RC造耐震設計ルート1とは

RC造耐震設計ルート1はRC造の建物を構造計算していくのに初心者が取組みやすい計算ルートです。

この記事では鉄筋コンクリート造の耐震設計ルート1の概略についてお伝えします。

1)高さ20[m]以下の建物までOK。

まずは建物高さの上限があります。高さは20[m]以下と定められていて、

20[m]というのは1層の平均階高を3[m]と仮定しますと6階建までです。

しかし、実務的には6階建を耐震設計ルート1にて計算していくことは

少なくて3階建までが一番多く、頑張って5階建までがルート1を

選択しているといったところです。

2)壁量が重要。

RC造耐震設計ルート1で押さえる重要なポイントが〈壁量(へきりょう)〉

ルート1は壁量に始まり壁量に終わると言っても過言ではないくらいです。

各階の壁量が規準で定められた既定値以上を確保されていることが求められます。

なぜなら、地震力に抵抗するのが壁という耐震要素だからです。壁の〈強さ〉

地震力に立ち向かうので、強度型の耐震志向と言う表現も使ったりします。

3)部材は許容応力度設計。

壁量を満たした後は応力計算を行い架構の応力を算出し、その後は部材設計です。

ルート1の部材断面計算は許容応力度設計まででOKで、鉄筋コンクリートで降伏
後の性状を考慮し計算を行わなくてよいというのは計算自体がカンタンに終わります。

ただし、鉄筋コンクリート造で忘れてならない性質があり、それが〈脆性〉という性質で
コンクリートは「粘り強さ」のない材料で鉄筋が粘り強さを補います。

この粘り強さへ保険を掛ける仕掛けを行う必要があります。

同じ耐震設計ルート1で鉄骨造とRC造を「構造計算の取り掛かりやすさ」で比べる
ならば、鉄骨造が取り掛りやすいでしょう。(あくまで個人的見解です。)

しかし、自分としては鉄筋コンクリートがやってみたいと思う人もいます。

実務上で鉄筋コンクリートばかりを扱うので、その構造計算の仕組みを知る必要がある

という方もいらっしゃるでしょう。

そういう方へはまず耐震設計ルート1の計算への理解に始まり、

ルート1の計算が出来ることを目標にすることを勧めています。

他の記事でRC造ルート1の具体的計算について深堀りしていきます。