建材カタログと構造計算

■建材カタログだけでは通用しないことも、、

私たち構造計算を行う者は多くの建材メーカーから提供されている
カタログの早見表を使用することで構造検討の代替としてることがあります。

でも、、、

ここ数年余りで私が経験した確認申請/構造計算適合性判定の構造審査質疑では
建材カタログの早見表で採用可能となっている建材断面で実際に検討してみると
その部材断面では許容応力度以下とはなっていない!。

ということが実際にあります。

建材カタログの早見表を使う一例として屋根の金属折板があります。

折板を扱っている 建材メーカーもカタログには「参考」と書いてあったり
「設計者にて安全性の確認を行うなどを行ってください。」
という一文が添えてあったりします。

構造計算が求められる範囲も年々変わってきているなぁという実感を得てます。

・建材カタログの早見表だけで終わらせてしまうのか?。
・自分で一歩踏み込んで構造計算で安全確認できるようにしておくのか?。

構造計算が出来ることで新しいビジネスの可能性があるようにも感じます。

ここ数年余りの確認申請/構造計算適合性判定の審査質疑の内容が、

より細かいディテールについての指摘に及んで行きているという事実は

構造計算を行う側にとって良いことなのか?それとも不都合なことか?

ただ、、、

細かいディテールに及んでいる指摘も建材メーカー側の責任ということで
済ませることが出来なくなってきてます。

つまり、、
「構造計算を行った建築士が建材の安全に責任を持ちなさい。」
となってきているのです。

もし、あなたが建築士であれば建材メーカー提供のカタログだけで
安全確認したと終わらせていても

実際に建材へ損傷が生じてしまえば
その責任の所在を問われる可能性があります。

そのときに「建材メーカーのカタログに書いてあったから、、。」
と説明しても、先程書きましたように

「構造計算を行った建築士の責任です。」
と言われて責任があなた(建築士)側に生ずることになりかねません。

建築士の受難の時代だと嘆くのか?
新たなビジネスのチャンスと捉えるのか?。
あなたは、どちらでしょうか、、、。

■構造計算がステイタスを上げてくれる。

上記で、 建築士に建材の安全確認まで求められていてると書きしました。
建築士側もカタログだけで安全確認したと言えなくなってきています。

建材の安全確認まで構造計算が求められる、、?。
私の修行時代(今から25年前)では考えられないことでした。

これからは構造計算が出来るか/出来ないかで
建築士のステイタスも変わってくる時代かもしれませんよ。

あなたはどうなりたいでしょうか?
「こんなトコまで構造計算求められるなんて嫌だ」と
構造計算を放棄してしまいますか?

しかし、
構造計算が出来るということであれば
「建材メーカー提供のデータに基いて検討及び安全確認行ってます。」
と言い切れるでしょう。

そして、建材の安全確認に必要な構造計算については、

それほど複雑でもなく高度な知識を求められもしません。

ポイントを押さえてマスターすれば誰でも身につけられると思っています。

あなたのステイタスを構造計算が上げてくれるとしたら、、、
これはチャンスではないでしょうか?。

■建材施工/販売側も構造計算を!

建材の安全確認に構造計算が求められることをお伝えしました。

『すべての建築士(設計側)が構造計算で安全確認を行っているのか?。』
と尋ねられますと、、、

「実状では、すべての建築士が行っているわけではありません。」
と答えてます。

それでは、構造計算を行わないならば
どの様に一般の設計者は対処しているのでしょうか?

それは、
建材メーカー側に安全確認の計算を行うよう依頼をかけているのです。

しかし、
建材メーカー側に構造計算をお願いしても建築士への安全性の責任は無くなりません。

責任は、建築士にあるということです。
建材メーカーの行った構造計算内容を理解しておく必要性が求められます。

メーカーからの検討書を読み込んで、あたかも自分が計算したかのように
答えられるレベルまで理解しておく必要があります。

また、、立場を変えまして。

あなたが建材メーカーにお勤めだと仮定します。

建築士から建材の安全確認を求められた時に
「わかりません。」と答えてしまうのか。

「あ、それなら検討の事例がありますよ。」
とか
「弊社にて検討してお返しします。」
と答えて依頼した建築士への信頼を積み増しできるか。

建材メーカーとして建築士から信頼される度合いが天と地ほどに差が生じますね。

検討費用も提示価格のうちに含め提案できれば、さらに付加価値が高まります。

構造計算が出来るというだけで御自身のビジネスが大きく変わるとするならば
これは、チャンスではないでしょうか?