構造計算のチェックポイント

構造計算をカンタンでは無いかもと感じさせるのは、計算回数が多いことが

原因の1つだったりします。その計算を自分でチェックする/間違いを防ぐ

には何に注意を払えばよいでしょうか?。

◆自分で行った構造計算をチェックするには?

構造計算を行ったときには1回で計算を終えられたとしても
そのままで提出して良いわけではありません。

自分で計算した内容が計算間違いをせずに合っているのか、
他の人からの質問が出た時に数字の根拠を示せるのかを
確認しておく必要があります。

構造計算を始めた頃は自分で計算した内容が
合ってる/間違ってるかを自覚しづらいです。

というよりも、チェックの仕方がわかってないだけです。
それで私が自分自身でチェックしている3つの方法をお伝えしましょう。

1)同じ手順で計算を行う。
架構の応力計算を行った時に曲げモーメントやせん断力の算出を
記載した公式通りに再度計算してみる。
地震重量の算出も電卓の叩き間違いがないものか、もう一度計算してみる。

2)逆から計算を行う。
柱軸力の集計や地震重量の集計では単純な足し算が多いです。
手計算では意外と間違いが出やすい。
そういうときには、上の値から足し算してきた合計値を
今度は下から上に向かって足し算する。
1回目と2回めが合っていたら計算は間違ってませんね。

3)異なるソフトを使う。
こちらは手計算ではありません。フレームの応力計算を行った時に
一貫計算で解いた結果をフレーム解析プログラムで解いてみる。
完全一致な結果にはなりませんが値が近似していれば、応力計算は
間違っていないと判断できます。

やはり、構造計算が出来ると自ら胸張って言えるには、
自分で計算した内容が自分でチェック出来ることが基本の基本にあります。

「コンピューターがやったので私はわかりません。」

(上の一言を発してしまうと、構造技術者としての信頼を下げます)
ケロッとして言わないように今のうちから、チェック(検算)する習慣を持ちましょう。

◆構造計算で間違えやすいポイントとは?

構造計算でチェックする方法があるのならば
反対に間違えやすいポイントがあることをお伝えしましょう。

構造計算を始めた時に誰でも怯えてしまうのが〈計算間違い〉ですね。

自分の計算が合っているのか合っていないのか、、、
心臓が高鳴る経験は私にもあります。

それで、この計算間違いが起きてしまう3つのポイントを書きます。

1)単位をそろえない。
たわみの計算で顕著に表れます。
荷重/スパン長さ/ヤング係数に断面二次モーメント
それぞれを公式に入れて計算する前に単位をそろえていますか?

2)電卓の叩き間違い。
足すところを引いてしまったり数字キーのボタンを押し間違う。
または、弱く押したりする。
最近の関数電卓は液晶表示で計算式まで表示されるので
目で見て確認しましょう。

3)紙に書かない。
このひと手間を惜しむ人が実に多い。紙に書き出すことをしないと

自分以外の要因で、作業が中断されたときに再開がカンタンでないです。
そもそも構造計算を行うのに頭の中だけで行おうというのは
初心者レベルでは禁じ手です。

いかがでしょうか?。
あなたも知らずのうちに上の3つの何れかを行ってませんか?。

もしも、カンタンな間違いが多いなら
上の3つを再確認するだけで計算間違いがグ~ンと減りますよ。