鉄骨造の耐震設計ルート選択について

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今回は実務的な内容で書きます。

鉄骨造の構造計算を行う時に耐震設計ルートを選びますが

耐震設計ルートは
ルート1で2ケース(ルート1-1と1-2)
ルート2、そしてルート3の合計で4つです。

また、建物の規模によって制限されたりします。

私が今進めてる新規案件はルート3でもルート2でもルート1-2でも
適用できます。(ルート1-1はスパン長で不適合)

まず、、、
ルート1-2は、中地震での地震力を1.5倍して
計算しないといけません。

他の2つ(ルート2やルート3)よりも
中地震で部材の断面が決まる傾向にあります。

では、、、
ルート3では、どうなのか?。
中地震と大地震の2つを検討して安全性を確認します。
ここまでやっておけば、どんな建物も
建築基準法に沿った構造計算を行ったと言えます。

ただ、、、
ルート3は、審査を2段階経る必要があります。
確認申請と構造計算適合性判定の2つです。

構造計算適合性判定は2007年の建築基準法改正にて運用開始され
今年で15年目になります。

この2つの審査があるので、審査費用と期間がルート1よりもかかります。
プロジェクトで工期短い場合には審査期間短縮が求められたりします。

(それが構造設計者と施工者へのプレッシャーになってますね。)

事実、構造計算適合性判定を避けたいので無理をして

ルート1に持っていく構造計画を希望する設計事務所も過去には見ました。

(鉄筋コンクリート造ですが)

それでは、、、ルート2は?。
ルート2は、2015年6月から運用改定で
構造計算適合性判定対象から外して
確認審査期間のみでの審査が可能となりました。
(一定の条件が付加されてますのでご注意)

今までルート3の構造計算がルート2で計算可能に
なりますと、審査費用減と審査期間短縮のメリットがあります。

また、ルート1に比べて地震力算出の層せん断力係数:Coを

0.3ではなく、通常の0.2に出来ます。

では、デメリットとは何でしょうか?
それは、大地震での計算(=保有水平耐力計算)を
省くために部材の性能を確保するので
わずかながら部材コストが掛かることです。

また、建物規模でルート2へのメリットが出るものと
出ないものが有ったりもします。

(冷間成形角型鋼管柱を使った2階建て以上の建物とか)

それと、ルート2からは構造設計一級建築士の関与が不可欠に

なりますので、こちらも注意しましょう。

しかし、耐震設計ルートを先入観で決めてかからずに
他の手立てはないか?と考えてみて下さい。

その際には、自分(構造設計側)だけの視点でなくて
発注側の視点でのメリット/デメリットを捉えるのが
キーポイントです。