構造計算書は、いつ作るのか?

構造計算イメージ

構造計算書を作ることはどのタイミングで行うか疑問に思ったりしませんか?。

構造計算の実務について全てを掴みきってない頃は
計算の全てを終えてから作り出すものだと想像している方もいらっしゃるでしょう。

構造計算の全てを終えてから構造計算書を作るという作業は
実務の用語で「計算書をまとめる」と呼ばれています。

この言葉から察するに
じつは、構造計算の取っ掛かりから構造計算書を作ることは
始まってると言っても過言では無いでしょう。

私の修行時代は〈手書き計算書〉が主流でした。
なので荷重の設定から計算書としての体裁をイメージした書き方を行ってました。

小梁の計算も応力計算も、そして断面算定も全ては
構造計算書として〈そのまま使える〉フォーマットにて書いてたのです。

それが、コンピューター主流の構造計算業務に移行するに従い
構造計算書は業務の終わりになって作っていくものだという
先入観が出てきたように感じます。

一方で構造計算での計算メモを沢山書くようになりました。
A4コピー用紙のミスコピー裏だとか、リーガルパッドとか
サラサラって書いて数値を確認です。

そして、計算プログラムにて計算させ結果を確認しておく。

ですが、本来は構造計算の着手時から構造計算書作りも始まってると意識したほうが良いと思ってます。

なぜなら、自分の行った計算がアウトプットとして現物に現れれば

  • 何が出来ていないのか。
  • この先に何が必要になるのか。
  • どこがわかってないか。

などを明らかにできます。

一方でアウトプットを計算書として意識せずに行っていると
上司や先輩に
「ここの断面は何の応力で決まってるの?。」
とか
「建物の剛性率、偏心率はどの位?」
「保有水平耐力比は、いくつ?」
などと問われても

「え、えっ!」と慌てて机上をゴソゴソかきまわすようになりがちです。

こういうことを避けるためにも
構造計算書は、計算開始から作成を意識して取り組むようにしましょう。