部材の構造計算(3):そしてメインの部材へ
構造計算で部材の断面を算出していく順番は、
・荷重(外力)を直接受ける部材から始まって
次に
・それを支持する部材を算出する
ということをお伝えしました。
今回は、さらに次のステップです。
構造計算作業の全体としては「荷重算出→準備計算→応力計算」
までは終えてるという前提です。
いよいよ、メインの部材柱と大梁に移行します。
応力計算を終えていますので建物を支える部材の応力がわかっています。
それで、柱と大梁の断面算定はどちらから行ったほうが良いか悩んだりしませんか?。
私は、師匠から「柱の断面を先に算定しておきなさい。」と教えられました。
理由はわかってません。
「なぜですか?」と尋ねたことが無いからです。
今になって思えば、尋ねておけば良かったなぁと感じています。
では、今の私が柱と大梁のどちらを先に算定しているかというと
「大梁」から算定してます。
なぜなら、通常のラーメン架構でもブレース架構でも基本的には
柱幅のほうが梁幅より広くなってますね。
そうすると先に大梁の断面算定を行ってサイズを決定しますと
梁幅以上の柱幅に自動的に決まるからです。
(いわゆる、「柱勝ち」の納まり。)
これは鉄骨造でも鉄筋コンクリート造でも同じことが言えます。
柱を先に決めてしまうと梁幅が予想外に広く必要なときに柱の断面算定をもう一度
見直すことにつながります。
幾度も再計算することは、誰でも避けたいもの。
ですから、大梁の断面を決めてから柱の断面算定を行うようにしているのです。
ただし、これが正解ではありません。
柱の断面算定を先に行っても間違いではないですよ。