部材の構造計算(6):大地震のときは?

層がずれた高層ビル

他の記事で建物の一通りの部材断面を算定する順番をお伝えしました。

この段階で建物の構造計算が終了とできるケースと
更にもう一歩踏み込んで計算するケースが出てきます。

構造計算を学びだした頃は
屋根/壁/床から始まって、小梁/間柱などへ移って
大梁/柱の断面算定をして、基礎/杭/基礎梁までを計算できれば十分ではあります。

ですから、今回お伝えするのはやや補講的な意味合いをもたせてます。

今までお伝えしました断面算定は建物に荷重(外力)が作用したときに
部材が変形しても、荷重がなくなれば〈もとに戻る〉状態を想定してます。

でも、、、
どんな荷重にでも〈もとに戻る〉状態を保つように断面サイズを決めていくと
不経済な建設コストになっていきます。

なので、現状の建築基準法では
〈もとに戻ることはなくても倒れない〉状態で人命だけは確保するように規定されてます。

我が国、日本は地震国です。
特に、その地震に対しては建物が倒壊しないで人命保護するように法律が規定されてます。

この計算を〈保有水平耐力計算〉といいます。

今まで決めてきた部材断面で大梁/柱/基礎梁が大地震を受けたときに
どのような壊れ方をするのかを確認して安全が確保されていることを保証する計算です。

計算の前提としては
建物の大梁/柱/基礎梁の断面が確定しているということです。

ここから〈もとに戻らない〉状態になったときの耐力を計算していきます。

建物の骨組(梁/柱)へ地震力を徐々に加算していき「バタン」と倒れる手前の変形具合と壊れ方を確認します。

建物の柱の傾き(層間変位角)が、最初に決めた基準の角度に達したときに、
必要とされる力を建物の耐力が上回ればOKという計算です。

カンタンに言えば「とても稀な地震力と建物の力比べ。」を計算で行うということです。

今の段階では、概念的に理解をしていればOK。必要になったときに再度学びましょう。


ここまで、「部材の構造計算」についての記事でした。

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