構造計算を行う道具:一貫計算プログラムについて
一貫計算プログラムは自動車?
建築物の構造計算を行っている現場では、一貫計算プログラムという計算ソフトを用いて作業しています。
30年ほど前なら
- 荷重算出→手計算
- C,Mo,Q算出→手計算
- 応力解析→平面フレーム解析ソフト
- 断面算定→手計算
が主流でした。
これらの作業を、建物全体を入力することで一つの計算ソフトで処理してくれるという便利な?ツールが一貫計算プログラムです
この一貫計算プログラムのベンダー(提供する側)は、主に4~6社が存在しています。それぞれのベンダーで作ったソフトに特徴があります。
その特徴を自動車に例えてみますと
- A社は、エアコン/パワステ/AT/カーナビ付・・・的なセダンのような自動車
- B社は、MTシフト/バケットシート/ターボエンジン・・・みたいなスポーツカー
- C社は、4WD/オープントップ/MT・・ジープ
しかし、いずれも目的地までは到達できるように作ってありますので、運転手が乗って操縦すれば走って目的地まで行くことができるわけです。
でも、それぞれの自動車の特徴が判ってないとその性能を引き出せないし、時には危険な状況を作り出すおそれもあります。
もし、あなたが構造計算で一貫計算プログラムに触れる機会がありましたらどんな特徴があるのかを先輩たちに尋ねてみてください。
構造計算する人は運転手?
構造計算に使う一貫計算プログラムを自動車に例えました。
ならば、構造計算する人は自動車を運転する人になりますね。
自動車に乗って目的地まで行くことは、一貫計算プログラムを使って安全な建物にしていくのと同じと仮定できます。
まずは、車選びからですけれど運転する人と車のマッチングは大切です。
運転経験が少ない人( 構造計算の経験が少ない人 )がいきなりF1のレーシングカー(高度な計算ソフト)に乗ったり(使ったり)しませんよね。
自分の運転技量に合った車で走りますと心にも余裕がある状態でドライブできますので、安全に目的地へたどり着けます。
車で走った時間が長いほど経験や情報を蓄積していきますので運転技量も増えていきます。
一貫計算プログラムも同じようにプログラムに触れる機会を増やせば色々なことが判ってきます。
そこで大切なのは「振り返り」。一貫計算で何を変えたのかをキチンと記録していくこと。
それから変えたことで結果がどのように変化したのか?
なぜ変化したのか?
も記録しておくことです。
記録の蓄積=経験の蓄積になり、次の機会に活かせますよ。
『30代からは構造計算で年収UP』をキーワードに構造計算が『できない』を『できる!』へ、そして年収アップへと導く一級建築士・構造設計一級建築士です。こちらでもブログを書いています→ https://ameblo.jp/ryo3whisky