層間変形角における鉄骨造と鉄筋コンクリート造の違い
鉄筋コンクリート造の場合
鉄筋コンクリート造で層間変形角が既定値の1/200[rad]をクリアしないことは珍しいでしょう。
なぜなら、部材断面積がソコソコ確保されているのと切断面が空洞でないからです。
空洞でない=密実断面は自重が有る分だけ断面性能も確保できます。
すなわち断面2次モーメントが確保されるということです。
スラブ付きの大梁や袖壁付きの柱で剛性はかせぐことが出来ます。
鉄骨の場合
一方で鉄骨造の場合は層間変形角クリアに手こずることがあります。
鉄骨造では鉄筋コンクリート造に比べて、
- 各部材がスレンダーになる。
- 中空断面または開断面である。
の2つがポイントになります。
言い換えると上2つのポイントが建物を軽量化できる利点でもあります。
中空断面の柱と開断面の大梁で重たい床を支えられるというのは、
変形しやすいことの裏返しです。
自重が軽い割に剛性が高い材質では変形に注意する必要があります。
私が教えている大学での卒業研究作品での建築模型を見ると実感します。
模型材料のスチレンボードは軽いけど剛性がソコソコ有るんです。
それ故に、薄いスラブ=1枚のスチレンボードが非現実的なスパンを飛ばせることが出来てしまうのですね。
実務の構造計算では層間変形角をチェックする時は鉄筋コンクリート造よりも鉄骨造に注意をはらいましょう。
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