構造計算が身につかない人の口癖とは?

構造計算を実務で使えるようになりたい、マスターしたいと思っていてながら、なかなかできずに悩んでいる方をたくさん目にしてきました。

そういう方が共通して発する言葉があることに私は気づきました。

知りたいですか?

でも、少しだけ考えてみませんか?

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それは、『どれが正解?』です。

このセリフを見て、あなたは「なぜ、正解を求めては良くないの?」と思われましたでしょうか?

私は今まで勤務してきた先で、構造計算をマスターしたいと思う方へ伝えられるものは伝えてきました。その中には、マスターした方もいますしマスターできずに止めてしまった方もいます。

それで、マスターできずに悩む方ほど「どれが正解なの?」と思ってるようです。

もし、あなたが今まで構造計算で正解を求めてきたのならその前提を変えることをオススメします。

「正解を求めない」とは?

では、正解を求めないのなら何を求めたらいいのか・・?

と、その前に構造計算という行為を分解してみましょう。

  1. 計算対象の骨組みが存在します。
  2. 骨組み(部材)に力(荷重)が作用します。
  3. 力(荷重)によって、骨組みが変形します。
  4. 変形した骨組み(部材)には応力が生じます。
  5. 応力により部材の断面には応力度が生じます。
  6. 部材断面の応力度<使用材料の許容応力度を確認。

以上が概略のプロセスになります。

ここで大切なのは、荷重も骨組みの応力算出も「ある仮定」の条件のもとで行ってるということ。

この「ある仮定」が変われば答えも変化していきます。

それで、私は「構造計算は正解より納得解を出す」行為だという考えに達しました。

学校に通っていた時の「算数」や「数学」では『答え』という一つの正解を求めてきましたね。構造計算は、その習ってきた「算数」や「数学」を使って計算行為をします。なので正解を求めがちになります。

でも、実務での構造計算では唯一の正解はほとんど有りません。

それよりも

  • 自分が設定した荷重の妥当性。
  • 応力計算に用いた骨組みモデルの妥当性。
  • 応力結果から算出した断面サイズの妥当性。

これらを自らが説明して、自分以外の人も「そうだよね」と納得する解を出すことで十分なのです。

あなたが構造計算で「たった一つの正解」を出すことで苦しんでいたのなら、もう、今日限りで手放して下さい。

そして、自分も相手も納得できる、幅のある、すこし緩やかに感じる納得解を出すことにシフトしましょう。

「納得解」という単語は、藤原正博さんの著書「45歳の教科書」(PHP研究所)に出てきた言葉です。

それでは、また。