構造計算と建築士資格(1):建築士資格は必要か?

建築士の仕事

実務作業自体は行える

建築業界で働くと建築士資格と向き合うようになります。
それで、構造計算を行うには建築士資格は欠かせないのでしょうか?。

一貫計算プログラム操作や手計算を行うに建築士資格は求められるでしょうか?。

実は、構造計算の実務作業自体は建築士資格を所有していなくとも行えます。

それでも、構造計算をマスターしたい人で「建築士資格は欲しい」と思う人は少なくありません。

記名と押印が行えない

なぜ建築士資格を求めるのでしょうか?。

それは、実務を行っていると作成した設計図書に記名と押印が必要だからです。

たとえ自らが構造計算を行い計算書を作成してたとしても無資格では記名と押印を行うことは不可能です。
すると第3者が見る書類では構造計算を行ったのは違う人と認識されます。

自ら行った構造計算なのに書類上では認められないということは、結果として受け取れる報酬の額に反映されます。
発注先なら金額を下げてくる可能性が考えられます。勤務先ならば収入が伸びないかもしれません。

キャリアパスに不都合

建築業界の中でも「設計分野」で活躍をしようとすると無資格では限界があります。
しかし、転職する時に建築士資格を持っていると報酬条件の交渉で不利にはなりません。

それに自分から選べる範囲が広がります。
今の時代で「選べない不自由」は、とても心苦しいのではと感じます。

以上のことから、建築業界の企業に勤めて設計分野でキャリアを伸ばそうと思うと建築士資格の必要性は高いでしょう。

30代位ならば、建築士資格所有を諦める必要は全くありません。
取得可能ならば、早期に取得しましょう。

独学にこだわらなくていいです。
正当な手段であれば資格学校に行くなり、通信教育を受けるなりして取得を目指して下さい。

ちなみに私自身は1級建築士を取得したのが27歳のときでした。
給料の低い環境でしたので資格学校には通う金銭的余裕が有りませんでした。

学科試験が3回目(27歳)で通り、その年の製図試験を1回で通しました。
(製図は手描き世代の末裔でしたから、製図力は少しはあったのでしょう。)