構造計算と建築士資格(3):構造設計1級建築士はお得?

建築士のイメージ

1級建築士取得から5年の実務経験

構造設計1級建築士という資格は2008年に設けられました。もう12年も経ちました。

構造設計1級建築士(以後、構1と記載)は1級建築士取得から5年の構造の設計・監理の実務経験が求められます。

設計補助業務では実務経験にカウントされませんので要注意です。

実務証明としては設計図書への記名と押印が有ること。
確認申請の設計者欄に名前が載ることなどがあります。

もしも、構造設計1級建築士を目指すならば。
自ら行った建物の構造計算について構造計算書を作成した時には記名押印を行うようにしましょう。

建物全ての構造を扱えるけれど

構造1級となれば建物規模の制限は無しです。

法適合確認も自らの設計であれば、他人に頼まなくて良いです。

ただし、勤め先の状況によりますね。人数が多い企業は法適合確認を管理職が担ってると察します。

そして、資格維持のコストも増えます。1級建築士に加えて構造1級も定期講習の対象です。

3年毎に定期講習を受講する義務が発生します。

ターゲットを絞れば

一方で構造1級が必要でない構造計算は沢山あります。

耐震設計ルート1、工作物、手摺等の金物や設備架台などは、構造1級の関与は必要無しで行えます。

ですから、構造計算を行っていくのに構造設計1級建築士が必須とは限りません。

構造計算の対象を限定して業務を行っていくのも立派な経営戦略です。

構造計算実務を行う若手の人が目指す目標に構造設計1級建築士の取得があります。

合格すると1つのステイタスにはなります。
それに1級建築士の上位資格として位置づけられますから報酬アップの交渉が出来ます。

時間コスト/金銭的コストは掛かりますけど
取得して報酬やキャリアアップを狙うならば、お得感は得られると思いますよ。