構造計算書にストーリーは必要か?。
◆今までの構造計算書から、、、
私は今まで沢山の構造計算をしてきました。
そして、他の人が作った構造計算書も見る機会が
たくさんありました。
具体的には
・勤務先での過去の設計物件
・引き継ぎ物件で前任者が作成したもの。
・クライアントが保管していたもの。
などです。
また、販売されている書籍でも構造計算書を意識して
書かれたものがありますね。
そこで、今まで構造計算書を目にして感じたのは
・計算書が紙に目一杯書かれている。
(ギチギチに詰め込まれているような)
・数式が示されていない。
・数値は書かれているけれど、単位がない。
・計算はしてあるけれど、計算の結果どうなったのか?
がくみ取れない。
ということでした。
では、構造計算書を読む側が「わかりやすい」と感じて
もらえるような作り方/書き方というのは存在するのでしょうか?
あなたは、構造計算書を読みやすい/見やすいと
感じたことがありますか?
◆どうして構造計算書は必要なのか?
上段で構造計算書を見てきて感じたことを書きました。
それでは、どうして構造計算書が必要となるのでしょうか?
私なりの意見を書きます。
・その建物の安全性を確認したという証拠を残しておくため。
・その建物の構造上の特徴を建物のオーナー/使用者
そして工事者に対して説明が出来るように。
などです。
また、工事を行うためには設計図が必要です。
なので設計図を作るとして、
・図面を描くには、元になる資料が必要。
・図面を描く人は、構造計算を行った人が描くとは限らない。
・だから、図面を描く人が理解しやすいように。
・図面を見て工事をする人が間違わないように。
構造計算書として残しておく必要が有るのです。
それならば、構造計算書はどの様に書かれる/作られているのが
良いのでしょうか?
・計算した私が後から振り返ることが出来るだけで良い?
・単位などイチイチ書くのが手間だから省いておこう。
・私は構造計算をするだけ。読む人が理解できないのは
構造計算書を読みこなす力がないだけ。
というような考えで作られた構造計算書は、読みやすいものでしょうか?。
でも、世の中に残っている構造計算書は後から読みやすく
作られているものが少ないです。
(2007年以降の建築基準法改正で、2007年以降の構造計算書
については随分と改善されてますけど。)
これから構造計算が出来るようになりたいと願うあなたは
構造計算書を作る上でどういう視点をもっていくのが良いでしょうか?
◆わかりやすい構造計算書にするために
始めに、構造計算書の現状をお話しました。
次に、わかりやすい構造計算書はどういうものが良いのかを
あなたへ、しつもんする形で書きました。
では、ここからは、「わかりやすい構造計算書」にするために
何を書くべきか?を考えましょう。
まず構造計算書は「読み手」側の視点が不可欠です。
読み手側に立つとはどういうことをいうのでしょうか?
もし、構造計算を行った人が目の前に座ってたとしたならば
その人に尋ねる項目を思い浮かべてみましょう。
たとえば・・
質問すること)---------計算した人の回答)
・これは、何の計算でしょうか?→「○○の計算です。」 (計算のタイトル)
・どういう目的で行ったのですか?→「○○が△△によって・・□□したときに・・」(計算方針)
・計算過程はどのようにしましたか?→引用した計算式(出典先も書くと尚良し)と計算内容
・計算の結果、何がどのようになりましたか?→所見など
が挙げられます。
そして、上記のことを紙に書いていくときには読みやすさも必要ですね。
読みやすさ・・・
・略図などを入れて読み手がイメージしやすくする。
・適度な余白(スペース)があること。→ギチギチに詰め込まない。
などが考えられますね。
それは、
・誰に伝えるのか?
・何を伝えるのか? を順番を考えていくということにつながります。
各構造計算項目によって、誰に/何を は変化します。
しかし、構造計算書として紙に書いていくときに計算者は
それぞれに定番となる自分なりの書式(フォーマット)を持っていると強みになります。
あなたも、自分なりの書式を持てれば、他の計算者よりも
ピカッと光る存在の構造計算書が作れるようになります。
一緒に、その計算書が作れるようになりましょう。
それでは、また。