構造計算間違いあるある(6):実はそれ、〇〇してます。

気づきのイメージ

1)許容応力度のとり方

鉄骨構造の構造計算での部材断面算定です。
応力計算してから部材断面を決めて断面性能で割り算して応力度を算出する。

このプロセスはつまづくこと無く出来るようになったとして、

応力度と比較する側の許容応力度について見落としがちな点があります。

2)許容応力度の低減

圧縮材の断面算定ならば、〈細長比〉により許容圧縮応力応力度が下がります。

曲げ材の断面算定ならば、圧縮フランジの拘束が有るか無いかで許容曲げ応力度が下がります。

このポイントを忘れてしまいますと
「実は、座屈(横座屈)してる。」という状況になってたりします。

3)部材に取り付く床/壁材に注目

折版屋根を受ける小梁では圧縮フランジの拘束は期待できません。
なので、横座屈防止のために補剛材を梁横に取り付けて曲げ応力度の低減を減らします。

一方でデッキプレートやRCスラブを受ける小梁では圧縮フランジが拘束されます。
だから許容曲げ応力度は許容引張応力度と同じまで採用できます。

横胴縁を受ける間柱では、風圧力を受けた時に横胴縁が圧縮フランジを拘束すると期待できます。
ですから、許容曲げ応力度=許容引張応力度とすることが出来ます。

ALC横張りを受ける間柱では圧縮の座屈と横曲げ座屈の両方を
考慮して許容応力度を算出する必要があります。

このように、実際に取り付く床材/壁材の種類や材質によって部材の許容応力度が低減されます。

応力の算出が出来たと一安心せずに外装材などの取付き方などには注意を払いましょう。
いわゆる建築上の〈納まり〉を理解することは構造計算が出来る上で必要な知識です。


ここまで、「構造計算間違いあるある」についての記事でした。

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