耐震設計法(1):耐震設計ルートって何ですか?

ルートのイメージ

1)耐震設計ルートとは何?

建築の構造計算を行う目的とは何でしょうか?。

建物の安全性を確認するためですね。
その安全性とは何を持って安全だと主張できるのでしょうか。

何かしらのチェック項目がありそのポイントをクリアできていれば安全だと他の人が見ても納得できる。

安全までの道のりがあるとするならば〈通行手形〉みないなものが耐震設計ルートにあたります。

2)何のためにある?

建物が堅ければ良い/強ければ良いということでは建築として十分ではありません。

建築としては、強く/美しく/使い易くが理想であります。
(なかなか成立しづらいですが)

その強さについて、建築が堅さやねじれに対してバランス良くある為にある指標を作っておきます。
造った指標の範囲のなかに収まっていれば一定の水準の安全を保れていると解釈できます。

計算者自身とチェック者が納得できるラインを共有できるのが耐震設計ルートではないでしょうか。

3)ルートは誰が決める?

耐震設計ルートというのは誰が決めて行くのでしょうか?。
主体は構造計算を行う人に有るというのが私の意見です。

だけど、構造計算者が一方的に決めるのではありません。
実務では依頼者の都合もよく聞いた上で決めるいます。

例えば、建築の工事着工まで時間がないのに、
「この建物の耐震設計ルートは〇〇でなければならない。」と
審査手続に時間がかかる選択肢を譲らないのは少し疑問に思ったりします。

もちろん、安全を軽んじているわけではありません。
ですが、1つの耐震設計ルートに固執しすぎるのも考えものです。

依頼者とは必ず合意しておくことが計算する前に大切なことです。

耐震設計ルートは、1986年に施行された「新耐震設計法」と呼ばれる設計法の中に初めて登場してきます。

私が構造の実務を始めた頃は〈新〉を付けてもギリギリセーフ(?)だと個人的見解を持ってます。

ですが、今は2021年ですから35年も経た設計法に〈新〉の文字を冠するのは
すこし憚られたので、記事のタイトルには「耐震設計法」と書きました。

構造の業界では未だに「新耐震設計法」と呼ばれますので誤解されずに理解をしてくださいね。


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