耐震壁とブレース(偏心率について)
剛性が1ケタ異なる
耐震壁とブレースは強力な耐震要素です。
高さが15[m]程度までの建物ならば、
上手に耐震壁とブレースを配置することで建物の耐震性能は格段に上がります。
耐震壁とブレースは、ラーメン構造の柱に比べて剛性の大きさが1ケタ大きい数値を持ちます。
耐震壁は、せん断剛性が支配的です。
ブレースは、軸剛性が支配的になります。(どちらも中低層建物を想定。)
建物の変形が問題視されるならば、耐震壁とブレースの配置が最も効果的です。
配置はバランス良く
耐震壁とブレースが耐震要素としては効果的でも建築計画上では妨げになることが設計を進めていく上で生じます。
なので、耐震壁とブレースの配置計画は建築設計者との協同が欠かせません。
一方で構造技術者として心がけるのは〈配置はバランス良く〉です。
バランス良くをひと言で言えば「対称」を心がけることです。
線対称あるいは点対称でも構いません。
1方で配置した耐震壁とブレースを、対極側にも配置することを検討しましょう。
やむを得ず非対称な配置になるならば、耐震壁とブレースの剛性に差をつけます。
耐震壁とブレースは配置1つで建物の偏心具合がガラリと変わります。
とくに重心位置からの離れ具合で大きく影響してきます。
重心位置から離れて配置しても建物全体で見たときにバランス良い配置ならば、
ねじられ難い建物になります。
それは、箱の隅のカドを切り落したものとカドを残したものを押してみて比較するとよくわかりますよ。