そのエクセルシートは、いつ再利用しますか?
◆表計算ソフトの裏側にある事実
マイクロソフト社から出ているOfficeというソフト
あなたも普段から使ったりしていますか?
構造計算の業務でも使われることは非常に多いです。
その中でも表計算ソフト「エクセル(EXCEL)」は
現在において、構造計算を行う人で使ったことがない
という人は居ないほど浸透したソフトです。
以前の勤務先での同僚で・・。
構造計算作業を全てエクセルで行う人が居ました。
出来上がったモノは、プリント出力すればキレイで
見栄えも立派なでした。
でも、その同僚はいつも夜遅くまで仕事してました。
お客さんからのTEL対応/社内での打合せや調整ごと、
そして構造計算作業をエクセルで行う・・。
あるときに、同僚へ尋ねてみました。
「どうして、エクセルで構造計算を行っているの?。」と。
返ってきた答えは
・計算で、修正や変更が生じたときに変わった箇所の数字を入れ替えれば
(作成した計算式で)再計算がすぐに終わる。
・次に同じような案件が来たときには、この計算シートを活かせる。
ということでした。
私はさらに尋ねました。
・この計算シートを作る時間って、どのくらいかかったの?
・次に同じ物件が来るチャンスは、何回くらい有りそう?
と。
◆私なりの解釈や疑問
私が思ったことは、下記の3つで
・同僚は、構造計算の最初からエクセルに向かって作業したのだろうか?。
・頭の中には、構造計算の完成形がイメージできてて作ってたのだろうか?
・完成形が見えない/判らないときにはどうしているのだろうか?
確かに彼の言ったように
修正や変更が生じて何回も計算が必要になってしまう構造計算項目には
計算シートを作っておけば、とても便利だと感じました。
(実際に私とて業務でエクセルを使っております。)
それでも、
毎回作った計算シートをドンドン貯めていったら、再現できる計算シートが
増えていき、ますます便利になってくれるのでしょうか?
また、作るための時間について。
例えば一つの計算シートを作るのに延べ30時間かかったとしましょう。
でも、次にこの計算シートを使うチャンスがいつ来るのかが判らない
来ないかもしれない・・。
もし、手書きで1時間ほどで同じ計算書が書き上げられたならば
どちらが費用と期間を秤にかけてメリットが有ると思いますか?
◆あなたへ問いかけたいこと。
私はエクセルで構造計算を行うことには否定的ではありません。
それでも、一から十まで全ての構造計算項目について作業することは
構造計算が出来ているようになりたいと願う、今の段階ではオススメしません。
構造計算は簡単(シンプル)がゆえに、そこに現れてくる計算式の
意味合いをキチンと自分の中に落とし込んでおくことが大切です。
だからこそ、
・計算式の意味が解ってないのに計算そのものをソフトに頼るのは要注意。
・計算シートを作ることに沢山の時間を使ってしまうことも要注意。
・本来はあなたが出来るようになる計算項目を増やす方が重要。
そして、
エクセルに向いている構造計算項目と向いてない構造計算項目が有ります。
向き不向きの見極めは、あなたには瞬時にできないかもしれません。
もし出来ているならば、素晴らしいことです。
(構造計算シェルパの私をもう必要としない状況かもしれませんね・・。)
構造計算が登山に例えて話してますように、
計算技量の段階に応じた計算ツールがあるはずです。
その状況の見極めをご自分でなさるのも良いです。
しかし、構造計算シェルパの私が話していることに耳を傾けてみるのも
悪くはないように思いますよ。