構造計算間違いあるある(5):部材が保たない
1)断面算定したら、、、
例えば、屋根小梁の構造計算。
・荷重の与え方は適切だった。
・応力計算も間違っていない。
断面算定を行ってみて許容応力度を超えてしまってる。
上司や先輩が示してくれた概算断面で断面算定したのに、
何故に断面算定がNGになったのだろう?。
2)決定してる荷重ケースは?
部材がNG(保たない)からと慌てないで、一旦落ち着きましょう。
それで、この小梁の設計する応力を決めている荷重ケースを確認しましょう。
この屋根小梁は折版屋根を受けてます。
受ける荷重は、自重/積載荷重/積雪荷重/風荷重ですね。
折版屋根のような軽い材質では
自重のような長期の応力では決まってこないことが多いです。
そこには、積雪荷重か風荷重が荷重として加わってないですか。
3)短期なら1.5倍です
今計算してる屋根小梁が積雪荷重や風荷重で応力決定してるならば
それは多雪地域以外では〈短期荷重〉で扱えます。
そうしますと算出した応力度と比べる許容応力度も〈短期〉で扱うのです。
算出してた部材検定比が1.2だとしましょう。
だけど、許容応力度を長期で見てたとします。
これが短期になると「長期の1.5倍」になりますから、
1.2/1.5=0.8<1.0
「保ってる!」となりましたね。
構造計算では扱う荷重のケースで比べる許容応力度の値も変わります。
いま計算してる部材を支配する荷重は
長期の荷重ですか? それとも短期の荷重でしょうか?。
まずは、荷重ケースを確認しましょう。